選挙制度

更新日:2024年04月02日

1 選挙制度

普通選挙

納税額や性別などにより差別を設けることなく、すべての満18歳以上の国民に選挙権があります。

平等選挙

性別や社会的身分に差別されることなく、平等に一人一票の選挙権があります。

直接選挙

有権者が直接代表者を選ぶことができます。

自由選挙

誰にも干渉されず、自分の判断で自由に投票することができます。

秘密選挙

誰がどの候補者・政党に投票したかわからないように、投票の秘密が守られています。

2 公職(選挙)の種類

公職の種類詳細

公職の種類

任期

定数

衆議院議員(総選挙)

4年

  • 比例代表 (180人)
  • 小選挙区 (295人)

参議院議員(通常選挙)

6年
3年ごとに半数改選

  • 比例代表 ( 96人)
  • 選挙区 (146人)

県知事

4年

1人

県議会議員

4年

各都道府県において条例で定める

市町村長

4年

1人

市町村議会議員(一般選挙)

4年

各市町村において条例で定める

衆議院議員の総選挙には、任期満了に伴う総選挙と解散による総選挙があります。
なお、衆議院議員の総選挙が行われる時には最高裁判所裁判官の国民審査があわせて行われます。
参議院議員の通常選挙とは、任期満了に伴う選挙のことをいいます。
一般選挙とは、任期満了や解散など地方公共団体の議会議員の定数全員について行われる選挙のことをいいます。
補欠選挙とは、衆議院議員、参議院議員、地方公共団体の議会の議員が死亡・退職等によって欠けた場合で、繰上補充をしてもなお一定の欠員がある場合に行われる選挙のことをいいます。補欠選挙の場合は、前任者の残任期間しか在任できません。
上記のほかに、新たに市町村の設置があったときに行われる設置選挙や当選人が得られない場合等に改めて行う再選挙、市町村議会の議員の任期中に議員の定数を増員して行う増員選挙などがあります。

3 選挙権とは

日本国民は誰でも、満18歳になると選挙権があります。
知事や市町村長、議会議員の選挙権は年齢が満18歳であることのほかにその県や市町村に引き続き3ヶ月以上住んでいることが必要です。(国政選挙の場合は、選挙人名簿に登録されている元の市町村で投票することができます)
選挙権があっても選挙人名簿への登録がされていないと投票することができません。

選挙権について

選挙の種類

選挙権の要件

衆議院議員

満18歳以上の日本国民

参議院議員

満18歳以上の日本国民

都道府県知事

  • 満18歳以上の日本国民
  • 引き続き3ヶ月以上、同一市町村の区域内に住所のある人

上記の人が同一都道府県内の他の市町村に住所を移したときは、その回数が1回である場合に限り、引き続き選挙権を有します。

都道府県議会議員

  • 満18歳以上の日本国民
  • 引き続き3ヶ月以上、同一市町村の区域内に住所のある人

上記の人が同一都道府県内の他の市町村に住所を移したときは、その回数が1回である場合に限り、引き続き選挙権を有します。

市町村長

  • 満18歳以上の日本国民
  • 引き続き3ヶ月以上、同一市町村の区域内に住所のある人

市町村議会議員

  • 満18歳以上の日本国民
  • 引き続き3ヶ月以上、同一市町村の区域内に住所のある人

実際に投票するためには、選挙人名簿に登録されている必要があります。

4 被選挙権とは

選挙によって国や県、市町村の公職に選ばれる資格のことです。

被選挙権について

選挙の種類

選挙の要件

衆議院議員

満25歳以上の日本国民

参議院議員

満30歳以上の日本国民

都道府県知事

満30歳以上の日本国民

都道府県議会議員

その選挙の選挙権のある人で、満25歳以上の人

市町村長

満25歳以上の日本国民

市町村議会議員

その選挙の選挙権のある人で、満25歳以上の人

ただし、選挙権・被選挙権があっても、選挙犯罪により公民権が停止されているなど、欠格事由に該当する人は除かれます。

5 選挙人名簿とは

選挙人名簿とは、選挙の公正をはかるために作られる名簿で、選挙権のある人をあらかじめ登録しておき、投票のときに照合するものです。
選挙権があっても、この名簿に登録されていない人は投票できません。

(1) 登録の資格

次の3つの要件を満たしていることが必要です。

  1. 満18歳以上の日本国民であること。
  2. 住民票が作成された日(転入の届出をした日)から、引き続き3ヵ月以上、住民基本台帳に記録されていること。
  3. 欠格者(公民権が停止されている人)でないこと。

(2) 登録

  • 定時登録 毎年3月、6月、9月、12月(登録月)の1日現在で調査し、当該登録月の1日に登録します。
  • 選挙時登録 選挙のつど基準日と登録日を定めて登録します。
  • 補正登録 資格がありながら、登録されていないことが判った場合に登録します。

(3) 登録の抹消

  • 選挙人名簿は永久的なものですが、次の場合には名簿から抹消されます。
  • 死亡または日本の国籍を失ったとき。
  • その市町村から転出して、4ヵ月を経過したとき。
  • 誤って登録されているとき。

6 投票について

投票は、1人1票で、私たちの権利が表現される大切な機会です。
一人でも多くの有権者の方に投票していただくため、いろいろな投票方法が定められています。

(1) 一般の投票

投票の場所

各市区町村の選挙管理委員会から送付される「投票所入場券」または「選挙のおしらせ」に記載されています。

投票の方法

投票所入場券を持参し、投票所で投票用紙を受け取ります。
投票所入場券がない場合でも、選挙人名簿に登録されていれば投票できますので、投票所で申し出てください。
投票用紙…選挙ごとに用紙が決められています。

投票用紙の書き方

候補者のうち1人の氏名を間違わないように、正確に記載しましょう(誰に投票したのか分からない投票は、無効となります。)。
候補者の氏名のみを記載しましょう(それ以外のことを書いた投票は、無効となります。)。
ただし、参議院(比例代表選出)議員選挙の場合は候補者の氏名または政党名を、衆議院(比例代表選出)議員選挙は政党名を記載しましょう。
なお、最高裁判所裁判官国民審査についてはやめさせたい裁判官の氏名の上の欄に×(バツ)を書いてください。
2つ以上の選挙が行われる時は、投票用紙を間違えないようにしましょう(違う投票用紙に記載した投票は、無効となります。)。

投票所への入場など

投票所には、選挙人の同伴する幼児、選挙人とともに投票所に入ることについてやむを得ない事情がある者として投票管理者が認めた場合は、選挙人と一緒に入ることができます。
投票所では、車椅子の方が投票しやすいよう、車椅子用の記載台やスロープを備えつけるようにしています。
スロープがない場合は係員が介助しますので、お気軽にお申し出ください。

(2) 点字による投票

視覚に障がいのある方は、点字で投票することができます。
受付の際に投票管理者に点字で投票したいことを申し出てください。
点字投票用の投票用紙が交付されますので、その用紙で投票してください。
点字器及び点字の候補者等の名簿も投票所に備えつけてあります。
点字投票では、国民審査の投票は、やめさせたい裁判官の氏名を全て書くことになりますので注意してください。

(3) 代理投票

心身の故障その他の事由により、自ら候補者の氏名を記載することができない方は、係員が投票を記載する代理投票の制度があります。
代理投票をしたいことを投票管理者に申し出ると、二人の補助者が指定され、そのうち一人が選挙人の指示する候補者の氏名を書き、残りの一人が立ち会います。なお、誰に投票したのかの秘密は厳守されます。

(4) 期日前投票及び不在者投票

公職選挙法の一部が改正され、従来の住所地(選挙人名簿登録地)の市区町村における不在者投票に替わる制度として、新たに「期日前投票制度」が創設されました。
期日前投票は、選挙期日(投票日)前の投票であっても、選挙期日における投票と同様、選挙人は投票用紙を直接投票箱に入れることができるようになり、また、従来の不在者投票のような投票用紙を封筒に入れ、封筒に署名をするといった煩雑な手続きも不要となり、投票がしやすくなりました。
なお、名簿登録地以外の市区町村や病院、老人ホームなどにおける不在者投票については、従来どおり行われます。

期日前投票または不在者投票のできる人

投票日に、次のような事由に該当すると見込まれる選挙人の方は、期日前投票または不在者投票ができます。

  • 仕事や親族の冠婚葬祭などの予定がある方
  • レジャーや買物などの私用で、投票日に投票区(投票所の区域)外出される方
  • 病気やケガ、妊娠などの理由で歩けない方
  • 引っ越しなどをして、他の市町村に住んでいる方(ただし、市町村の長または議会の議員の選挙は除きます。)

期日前投票または不在者投票のできる期間・時間

当該選挙の公示または告示日の翌日から選挙期日(投票日)の前日までの期間中、土曜日・日曜日、国民の祝日を問わず、午前8時30分から午後8時までの時間(当該選挙の公示または告示日は投票できません)。
選挙が行われていない市区町村の選挙管理委員会において不在者投票を行う場合は、その市区町村の選挙管理委員会の執務時間内とされています。
選挙が行われている市町村であっても、期日前投票所または不在者投票場所が市役所や町村役場の支所・出張所等に設けられている場合は、期間や時間が異なることがありますので、市区町村の選挙管理委員会へお問い合わせください。
都道府県から指定を受けた病院(老人保健施設を含む)や老人ホーム、身体障害者更生援護施設等に入院または入所中の方は、その施設において不在者投票をすることができます。

7 選挙運動について

選挙運動は、本来、自由に行われるのが理想ですが、完全に自由にしてしまうと、金のある人が有利になるなどきれいな選挙がおこなわれなくなって、本当に有権者の代表としてふさわしい人が選ばれなくなるおそれがあります。
そこで、選挙運動の公平と運動費用の軽減などのため、選挙運動について各種のルールがあります。
選挙運動関係者はもとより有権者もこのルールを守らなければなりません。

(1) 選挙運動のできる期間

選挙運動のできる期間は、立候補の届出をした日から投票日の前日までです。

選挙の種類別運動期間一覧

選挙の種類

選挙運動期間

衆議院議員の選挙

12日間

参議院議員の選挙

17日間

都道府県知事の選挙

17日間

都道府県の議会の議員の選挙

9日間

指定都市の長の選挙

14日間

指定都市の議会の議員の選挙

9日間

指定都市を除く市及び特別区の選挙

7日間

町村の選挙

5日間

(2) してはいけない選挙運動

次のような行為は、原則として全ての者に対して禁止されています。

戸別訪問

各戸を一軒一軒訪問して、投票の依頼や投票を得させないように依頼することはできません。
これは、人の目の届かない場所で、個々に直接対面して行われる投票依頼が買収などの違反行為につながるのを防ぐためです。
ただし、路上などで偶然知人に会った場合(個々面接といいます)や電話で投票を依頼することはできます。

署名運動

選挙に際して、投票をしてもらうとか投票をさせないとかの目的で有権者に対して署名運動をすることはできません。

人気投票の公表

当選者を予想する人気投票の経過や結果を公表することはできません。
これは、人気投票の方法などが、必ずしも公平とはいえず、また、その結果をみて、有権者が影響されたりすることを防ぐためです。

飲食物の提供

選挙運動に関して、どんな名目であっても飲食物を提供することは禁止されていますので、飲み物や食べ物を選挙事務所などに差し入れをすることはできません。
ただし、お茶やお茶うけ程度の菓子を出したり、選挙事務所で選挙運動員や労働者に、定められた数と値段の範囲内で弁当を支給することは認められています。

気勢を張る行為

選挙運動のために自動車を連ねたり、隊列を組んで往来するなどの気勢を張る行為をすることはできません。

連呼行為

演説会場、街頭演説の場所や選挙運動用自動車の上でする場合以外に、候補者の名前など同じ言葉を短時間に繰り返ししゃべることはできません。

個人演説会・政党演説会・政党等演説会以外の演説会

選挙運動のための演説会は、候補者が行う個人演説会の他は、開催することができません。
また、新聞社や青年団などの第三者が2人以上の候補者のために合同演説会を開催することもできません。
ただし、衆議院議員選挙においては、候補者届出政党または名簿届出政党等(所属する人を候補者として届け出た一定の要件を満たす政党等のこと。)が、選挙運動のために政党演説会または政党等演説会を開催することができます。
このほか、文書図画による選挙運動は、それぞれの選挙で限定されたものしか行えませんのでご注意ください。

(3) 自由に行える選挙運動

次のような行為は、原則として全ての者に対して認められております。

個々面接

知人に路上などでたまたま出会った場合に投票の依頼をすることは個々面接といい、自由に行うことができます。

電話による投票依頼

電話で投票を依頼することは、自由に行うことができます。

幕間演説

演劇や映画等の鑑賞のために参集している人々に対して幕間を利用して行う演説や勤務のために集まっている人々に、その休憩時間中に行う演説等を幕間演説といいますが、これは、特に規制されていません。(公共の建物内で行う場合を除く。)